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#37
妊娠中の胸のケアについて

妊娠するとバストにも変化が 出産後スムーズに母乳を飲ませられるようお手入れを

妊娠するとバストにも変化が出産後スムーズに母乳を飲ませられるようお手入れを

妊娠すると腹部だけでなくバストにも変化が出てきますが、それは赤ちゃんにおっぱいをあげる準備が始まっているからなのです。
妊娠初期は、乳頭や乳輪に変化が現れ乳頭が下着に触れるだけでなんだか違和感を覚えたり、チクチクする感じがあるかもしれません。乳房が大きくなり始めているからなのです。そしてホルモンバランスの変化でメラニン色素が増加することにより乳頭や乳輪の色が濃くなってきます。
そのころは乳腺が発達することにより、乳首から少量の乳白色の分泌物が出ることもあります。
妊娠中期から後期には腹部に妊娠線がでてきますが、乳房にも妊娠線がでてくることがあります。乾燥すると妊娠線ができやすくなるのでお腹同様乳房も保湿クリームでスキンケアしましょう。

母乳は赤ちゃんにとって大事な栄養源です。出産後スムーズに母乳を飲ませられるようにするためにも妊娠中の乳頭や乳輪のお手入れはかかせません。
赤ちゃんを産んだあとおっぱいは自然に張ってきますが、母乳の出方にはかなり個人差があります。乳頭の形の違いや乳腺の開通具合によって母乳の出方が違ってきます。
乳頭が陥没していたり扁平だと赤ちゃんが吸い付くのに最初は苦労します。
また乳腺や乳口が詰まっていると母乳の出が悪くなります。

妊娠の安定期である20週頃から 妊娠中のおっぱいのお手入れ法

妊娠の安定期である20週頃から妊娠中のおっぱいのお手入れ法

出産後赤ちゃんがおっぱいを吸いやすくしておくために妊娠の安定期である20週頃から乳輪部のマッサージをしましょう。
ただここで注意しなくてはいけないのは乳頭のマッサージは乳汁を出すホルモンであるオキシトシンの分泌を促しますが、このオキシトシンは子宮を収縮させる作用もあるホルモンなので乳房のマッサージすることでお腹の張りを促進させてしまう可能性もありますので始める前に医師や助産師の指導を受けるようにしましょう。
特に切迫早産の疑いがある人、そのように診断されている人は乳頭のお手入れは、いつ生まれてもいい時期である36週目以降にするようにしましょう。
乳頭や乳輪のマッサージを始める前には手や乳房は清潔にしておきましょう。


《 実際のお手入れ法 》
お手入れは妊娠20週になったら下記を注意しながら始めましょう。
乳頭は、刺激するとお腹が張ってくる可能性があるので張ってきたらすぐに中止してください。特にお腹の張止めの薬を飲んでいる人は36週になってから始めてください。
乳房のマッサージは入浴後などリラックスしているときに行うと肌も柔らかくなっており効果があります。 片方の手でおっぱいを支え、親指、人差し指、中指の3本の指で乳輪から乳頭をつまんで乳頭の先をつぶすように圧迫します。
また乳頭を圧迫しながら縦や横方向にもみながらずらしていきます。
体調の良い日は一日一回行い、36週以降は積極的に行いましょう。マッサージは1回15分程度毎日続けることが大事です。

《 オイル湿布 》
入浴する前に約10分間行いましょう。コットンにベビーオイルやコールドクリームなどを含ませて乳頭に貼り付け、その上から適当な大きさに切ったラップで覆い10分ほど待ちます。
10分経ったら当てていたコットンで乳首を軽く拭ききれいにしましょう。
その後入浴して、石鹸を泡立てて優しく十分に洗い流します。
このようなオイル湿布は、36週に入ったら毎週1回は行いましょう。

マタニティ用は妊娠中期頃から 妊娠中のブラジャー

マタニティ用は妊娠中期頃から妊娠中のブラジャー

妊娠前はバストをきれいに見せるためのブラジャーですが、妊娠中は乳腺の発達を重視して選んでください。
妊娠すると急にバストのサイズが大きくなりますので、普段していたブラジャーではなくマタニティ用に作られたブラジャーを着用すると安心です。
個人差はありますが、1~2カップサイズがアップします。
マタニティ用に切り替える時期は妊娠中期に入った頃がいいでしょう。
体形の変化が外からもわかり締め付けが強くないものを使用する必要があります。
妊娠中はバストサイズがかなり変化するのでマタニティ用ブラジャーは調節が幅広くでき、バストを締め付けないようにと素材や構造にも工夫があり、妊娠中から産後の授乳期まで使えるものもあります。 自分の乳房のタイプを知り、自分で見て触って理解し、授乳だけのためでなく乳ガン予防のセルフケアにもつなげていければいいですね。
きついブラジャー、ワイヤーの入ったブラジャーは決して使用しないようにしましょう。乳腺を傷めたり乳頭を圧迫することで傷をつける原因になることもありますので注意してください。

生まれたばかりの赤ちゃんは、乳首が吸いやすくないと上手に吸うことができません。妊娠中に吸いやすい乳首に近づけることを意識してお手入れしてください。

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次回は 2025年 5 月 22 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

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