#15
仕事と育児
女性と男性の決定的な違い女性は「産むことのできる性」
人として生まれて来て、女性と男性の決定的な違いを改めて考えてみると、言うまでもなく女性は「産むことのできる性」をもっているいうことですね。産むことができるということは、実際に出産する、した、ということだけでなく、出産しなくても産むことのできる性を持っているということです。
それは、以前書いたように
- ① 曖昧さに耐える強さ
- ② 同じことの繰り返しである日々の育児にも飽きずに対応できる忍耐力
- ③ ちょっとした変化に気がつく直感力
などを持ち合わせており、それが産むことのできる女性の強いチカラだと私は思っています。
昔は、人生50年くらいの短い生涯の間に、子どもを3~7人くらい産んで大家族の中で家事をこなし、子育てをして生涯を全うするというのが女性の当たり前の一生でした。そんなときは、女性は産むことのできる性、すなわち臨機応変な対応能力を精一杯発揮して生涯を終えたでしょう。
障子の桟がみえなくなるまで(気が遠くなるほど辛いというたとえ)、と言われた出産をこなし、嫁姑の関係をこなし、子どもが巣立つまで育てて、すべての家事をこなし、やがて役割を終えるのが女性の一生、ということでした。
計画通りに行かないのが育児職場でも家庭でも助け合える環境作りを
今は、男性と肩をならべて仕事をこなす時代になっています。男女関係なく、仕事ができる人は出世していける時代です。強調したいのは、特に仕事をバリバリしていた方、仕事のようにテキパキ育児をしようと思うととまどうことばかりです。育児は、仕事のようにQCDを求められていません。
仕事では、Q=クオリティ(品質) C=コスト(価格) D=デリバリー(納期)を意識して仕事をしなさい ! と言われますね。確かにそれぞれ目標を決めて、それに向かってまっしぐら、そのような人が仕事のできる人です。
でも育児は、それらにはなんら関係ありません。納期って何、おっぱい飲ませて、何時までに寝かせつけて・・・と思っても思うように計画通りに行かないのが育児。効率と節約を考えて、オムツの交換の回数を少なくすると、たちまち赤ちゃんはお尻が真っ赤。仕事をするように育児はできません。
仕事をバリバリしていたキャリアウーマンほど、仕事をこなすように育児に取り組もうとすると、育児が思い通りに行かなくてつらくなってしまっているようです。終わりが見えない、プライベートの時間がない、などという声も聞いたことがあります。部下と違って、自分の子どもは、自分の思うように従ってくれません。自分が子どもに合わせていくしかないですから。
そして、逆に育児をするように仕事をしてはいけません。
仕事は、始まりと終わりがあり、時間は決められた時間があり、QCDと目標管理が必要です。
ママ友と情報交換をするように他部署の女性社員とおしゃべりをしたり、うわさ話をしたりすることなどは会社の中で一番嫌がれる存在になってしまいます。
出産という命がけの体験をした分、いわば怖いものなしの感覚、状態が、上司や同僚に対する謙虚さや真摯な態度が薄れてしまい、みんなから離れていく可能性があります。子どものことでは園や学校からいつ呼び出しがくるかわからない状態で仕事をしているのですから、助け合いや話し合い、同僚には、現在の仕事の状況をきちんと説明して、急な欠勤にも対応していただけるような気遣いと配慮が必要でしょう。
また家族にも、現在の仕事の状況をわかってもらい、どうしても抜けられないときは、パパが保育園に迎えに行ってもらえるような体制を整えておく必要もあります。
今の時代は育児と仕事を両立させて当たり前の時代、周囲の人に女性ならではの気遣いをみせて、職場も家庭も助け合えるような温かい環境にしていきたいですね。
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助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
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