#20
うちの赤ちゃん、
耳がちゃんと
聞こえているのかしら?
赤ちゃんの耳聴力の成長
赤ちゃんの耳の器官は、おかあさんのお腹の中で妊娠26週位には発達して音を感じていると言われています。
生まれてすぐに音を聞くことができる聴力はそなわっていますので、大きな音を聞くとビクッとしたり、寝ていても目を開けたりします。もちろん何の音なのかはわかりませんので、音に反射的に反応しているだけの状態です。
《 聴力の成長 》
生後1~2ヶ月頃には大きな音にはビクッとして手足を伸ばしたり、近くで声をかけられると顔を向けたりします。
2ヶ月を過ぎると周囲で子どもの声などが聞こえると目を覚ますようになり、話しかけると「あー、うー」などの声を出すようになりニコニコしたりもします。
3~5ヶ月では、聞こえてくる音が何なのかを理解できるようになり、ママやパパと他の人との声を聞き分けられるようになってきます。
6ヶ月を過ぎる頃には人の口から発せられる言葉がわかってきて、話しかけてくる人の顔をじっと見つめたりします。
8ヶ月頃には、動物の鳴き声を真似すると喜んだり、強い言葉で言われると泣いたりします。
9ヶ月を過ぎると「バイバイ」などと言う言葉に対応した行動をとることができるようになってきます。
1歳頃には耳で聞いた言葉をオウム返しのように言って、少しずつ言葉を覚えていきます。
《 耳が聞こえていない場合 》
生まれつき耳が聞こえにくい赤ちゃんは「先天性難聴」といいますが1000人に1~2人の頻度で発生しています。
出産する病院では新生児聴覚スクリーニングという簡単な検査をしますが、現在ではほとんどの産院で出生後3日以内にこの検査を行っているようです。
新生児聴覚スクリーニング検査によって早期に難聴の可能性がわかれば適切なサポートを受けることよって、言葉を話すこと、コミュニケーションの発達を助けることができます。
ママやパパが不安になるのは、「話しかけてもあまり反応がない感じだけど、聞こえているのかしら?」ということではないでしょうか。でも、基本的には新生児聴覚スクリーニングで指摘されなければ、心配はいりません。
赤ちゃんはカラダの成長とともに聴覚も発達していきますがいつ頃どんなときに音に反応するのかはかなり個人差があります。一般的な目安の比較だけで一喜一憂せず、ご自分のお子さんの行動しぐさなどを注意深く暖かく見守ってみましょう。
さまざまなケースが考えられる難聴の原因
生まれながらの難聴の原因は、遺伝、妊娠中の感染、早産、奇形などが考えられますが、両親に難聴がない場合でも両親の遺伝子の組み合わせによって起こることがあります。
また妊娠中に母体が感染するケースで起こる難聴は、風疹やトキソプラズマ、サイトメガロ、梅毒などが知られています。
さらには耳の奇形でも難聴が起こる事があります。耳の穴が完全に塞がってしまっていたり、鼓膜の構造が変形していたり、内耳神経が完成されていなかったりする場合は難聴になります。
《 難聴だった場合 》
出生後病院にいる間に新生児聴覚スクリーニングを受けて難聴の疑いがある場合は生後3ヶ月までに確定診断がされますが6ヶ月までに補聴の練習を開始するのが良いとされています。
人間は音声によって言語を習得していきますので年齢が高くなるほど言語の習得が困難になります。
もし難聴だったとしても早期に難聴を発見し、言語の習得を早期に行うことで言葉を話すことができるようになっていきます。
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助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
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