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#16
赤ちゃんの「ゼッペキ頭」は治せる?

新生児期から乳児期に気になる 「ゼッペキ頭」

新生児期から乳児期に気になる「ゼッペキ頭」

新生児期から乳児期になってくると「赤ちゃんの頭の形」について気にしているママはとても多いようです。赤ちゃんの頭の形いわゆる「ゼッペキ頭」について、なぜ起こるのか、そして予防や治療法はあるのかなどみていきましょう。

「頭の形がいびつ」であることを、頭蓋変形といいます。
赤ちゃんは出産時にママのお腹の中から狭い産道を通り抜けて生まれてくるので、圧迫などが加わり、頭の形が変わってしまうことが稀にあります。赤ちゃんの頭が柔らかいのは、狭い産道を通る時に頭部の骨に柔軟性をもたせるためなのですが、頭部の骨を少し重ならせて、できるだけ小さくなって産道を通るためなのです。
ですから、生まれたばかりの赤ちゃんの頭はとても柔らかく上向きに長時間寝かせたままにしておくと、頭の重みで後頭部が平らになる絶壁頭になってしまうこともあります。

また左右どちらかに向けて寝かせるときも、同じ方向ばかりでは、向き癖がついてしまい頭が変形してしまう可能性があります。

1歳半頃までは頭の形もかわりやすいもの 体の向きや姿勢を工夫

1歳半頃までは頭の形もかわりやすいもの体の向きや姿勢を工夫

1歳半頃までは、形成する頭の骨がまだ柔らかく変形しやすくなっています。構成する骨同士もつながっていないので、頭の形もかわりやすいものなのです。特に首がまだすわってない頃の赤ちゃんは、1日を通してとかく仰向けに寝た状態にさせがちですが、生後1ヵ月を過ぎた頃から腹ばいや、たて抱っこ等、体の向きや姿勢を工夫しながら赤ちゃんと遊んだりして、上向きに寝ているばかりでない状態を作りましょう。

しかしながら、「うつ伏せ寝」は乳幼児突然死症候群の危険因子になりがちですので注意して見守りたいのですが、「腹ばい遊び」は赤ちゃんにとって仰向けとはまた違った視界が広がり興味が広がります。
赤ちゃんを腹ばいにして、ママも赤ちゃんの視界に入るよう腹ばいになって声をかけてみましょう。赤ちゃんは大好きなママの声を聞いていっしょうけんめい頭をあげようとします。はじめはその姿を見て「なんだか苦しそう」と思われるかもしれませんが、腹ばいの姿勢は首・肩の筋肉の発達にも良く、首の筋肉の硬直を防ぎ、頭部に扁平部分を作らない、また、寝がえり・お座り・ハイハイの時に必要な筋肉の発達を助けるなど多くの利点があるので、生後1ヵ月を過ぎたら、毎日の生活の中にぜひ取り入れていきましょう。

パパの大きい胸に赤ちゃんを腹ばいに寝かせて、声をかけてあげるのも楽しいですね。またお風呂の後、背中を拭いたり保湿剤を塗ったりする時にも、腹ばいにしてママの両手で腰から肩にかけてハートを描くようにマッサージしてあげるのも気持ちのいいものです。 ですが、腹ばいの際は目を離さず必ず付き添うことが重要ポイントです。

他にも仰向けの時、向き癖を治すためにと反対方向からおもちゃなどで遊び向き癖を治す、寝かせる時には頭側と足側の寝る方向を毎日交互にかえるなど(明るい方や家族の声がする方向に顔を向きやすいので)、たて抱っこも腹ばいと同じように視界がかわるのでゆっくり試してみる、(首がすわっていなければ必ず支えつつ)、赤ちゃんと対面になり、ママと赤ちゃんの「ほっぺ・お鼻・おでこ」をちょんちょんと合わせる遊びをしてみるなど、頭と首を動かす習慣をつけるのもいいですね。

このように「位置的頭蓋変形症」では日頃から体の向きや姿勢をママパパが工夫することで変形が軽減する、目立たなくなる、などのケースがほとんどなのですが、まれに病気が原因で起こる二次的な変形(水頭症、頭蓋骨早期癒合症、筋性斜頸等)もあります。
住まいのある各自治体で行っている赤ちゃんの定期的な健康診断では頭囲を計測したり、医師が診察で必ず全身のチェックをしています。
まずは健康診断をしっかり受けて、気になることや心配なことは医師にぜひ相談してみて下さいね。

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次回は 2024年 7 月 11 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

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