多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog

#06
女性の出産という選択

選択できる時代 自分の生き方を模索して、悩んでたどり着くもの

選択できる時代自分の生き方を模索して、悩んでたどり着く

最近、女性にとっての出産が人生で一番「大変な出来事」になっています。 もちろん出産は昔から大変なことではありましたが、昔の女性は、黙って控えているもの、縁の下の力持ち、黒子的存在、というように耐えている存在だと、広く一般には、認識されていたと言えます。女性はどのように生きたいのかということにはほとんど選択の余地がなく、迷いようがありませんでした。結婚して5~6人の子どもを産んで嫁として、母として一生を全うしていました。そのような生き方がいいのかどうかは大いに議論されるところですが、議論の余地なくそのようにして生き、年月を過ごし、それが女性としての役割だと納得し、使命を果たせた、と思って死んで行ったのでしょう。

現代と比較してみると(出産と同じくらいかどうかは分かりませんが、)耐える、我慢するということを今よりも多く経験して出産に臨んでいると言えるでしょう。

今、女性は、出産はもとより、結婚もするかしないかを選択できる時代です。仕事に生きる、結婚はいやだけど子どもはほしい、二人で住むけど籍は入れない、etc…
どれも一理あるのですが、自分の選んだ道で納得のいく選択をしている女性は素敵で颯爽としています。私もあのようになりたいと思い、憧れ程度で同じ道を真似していても、誰もがそのようにはなれません。しっかりと自分の生き方を模索して、悩んで、努力の先にたどり着くものだと思います。

出産という仕事 立ち向かっていく母は強し

出産という仕事立ち向かっていく母は強し

妊娠中でも仕事をしながら、出産を迎える、ということは普通になっています。 法の整備もすすみ、夫が出産のための休暇を取ることも以前に比べたら、取りやすくなってきています。どんどん便利に合理的になってきていますね。便利に楽に効率的に、世の中が進んでいます。

ただ、出産というものは、時短、便利というワードは通用しません。時間をかけてゆっくり赤ちゃんを育み、産むのです。10ヶ月間、お腹の中で守ってきた愛しい我が子を産むということは、女性にしかできないことであり、何があってもこの子を私が守っていく、という決意を固める時間でもあります。
どんな名医でも、「あなたは元気にお子さんを出産することができます」という保証はしてくれません。今はお腹の中で元気です、順調に育っています、ということは言えても、出産時の保証などは誰もできません。出産で命を落とす産婦は、以前に比べたら格段に減ってはいますが、現代でもゼロではありません。いってみれば出産は命がけの仕事なのです。

キャリアウーマンとして業務上では、あいまいな状態、先の保証のない状態などはあってはいけないことですね。そのような状態になったら全てクリアにする事が、「仕事のできる人」だと評価されます。
でも出産は違います。クリアにならないあいまいな状態で、不安も伴いながらそれに直面し、そこに立ち向かっていく、それが出産です。それが母は強しなのです。

毎月 第2・第4木曜日に更新

次回は 2024年 2 月 8 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

助産師として多くのママをサポートした経験から、
知っておいて欲しいこと

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