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#19
二人目を妊娠したい!

悩んでいる人は多い 二人目不妊

悩んでいる人は多い二人目不妊

赤ちゃんを一人産んで、その後不妊になった人のことを「二人目不妊」といいますが、最近は増加傾向にあるようです。では、二人目を妊娠するためには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

一人目はすぐに妊娠したのに二人目がなかなかできないと悩んでいる人は意外と多いようです。
まず、初産の平均出産年齢をみてみると、2000年では28歳でしたが、2021年では30.9歳と上がって来ています。第一子出産年齢が30歳を過ぎているのですから二人目ではいろいろなリスクがでてきますし、仕事で産休・育休を取ることが仕事上にも周囲の人たちにもどのような影響を与えるかなどを1人目で経験しており、妊娠することに躊躇している場合も多く、そうなると二人目の妊娠が遅くなってしまうようです。

徐々に衰える 卵巣機能

徐々に衰える卵巣機能

《 卵子も老化する 》
最も女性の妊娠、出産にふさわしい時期というのは、20代~30代です。卵巣機能は20代後半でピークに達し、30代に入ると徐々に衰えてきます。自然流産の率が一番低い年齢も25歳~29歳です。
女性も男性も年齢を重ねるとからだの各器官が老化していきますが、女性の卵子ももちろん老化します。卵子は、生まれる前から女性の体の中に存在していて、男性の精子とは違って新しく作られることはありません。そのために歳をとればとるほど卵子の老化は進んで行きます。

また子宮や卵巣の病気になった場合や、偏った生活習慣・過度なストレスなどにより、気が付かないうちに卵子の老化を加速させてしまっていて残念ながら老化した卵子を若返らせることはできないのです。
一人目を産んでいると、「二人目がほしいと思ったときにすぐにできるはず」と軽く思っていたらいつまでもできない、と焦る女性が多いようです。
一般的に2年間避妊せずに夫婦生活を続けていれば、90%位が妊娠すると言われています。
「そのうちにできるはず!」と様子をみている間に時間が経過してしまうことがありますから「ほしいのにできない」という場合はすぐに産婦人科を受診して相談したほうがいいでしょう。

一人目の赤ちゃんができない場合を原発性不妊症といいますが一度妊娠したことがあって、その後不妊になる場合は続発性不妊症といいます。
二人目不妊の治療方法は原発性不妊と同じですが、結婚自体が晩婚化傾向であった場合は二人目はさらに高齢化となりますので、原発性不妊よりも治療は急ぐ必要があります。

女性のカラダは一人目を妊娠した後カラダに全く異常がなければ普通に妊娠するはずです。しかし残念ながら年齢が上がって来るとそれに伴っていろいろな不調もでてきます。
例えば一人目出産時に卵管に軽い炎症などを起こしている場合もあります。
35歳以上を高齢妊娠といい、年齢とともに子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など、婦人科疾患が増加して来る傾向がありきます。その影響もあって妊娠したとしても、30代後半~40代は流産率も上昇してきます。
第一子出産後に月経が変化することはありますが、排卵自体がなくなることはないでしょう。しかし、卵子自体の質に変化が起こっている可能性があります。35歳を過ぎると卵子の質は低下し、40歳以降では深刻な問題となります。

育児や生活様式の変化でのストレスは、女性の生殖機能に何らかの影響を及ぼしている可能性もあります。第一子出産時にトラブルがあると、その後排卵障害を起こすこともあります。
卵管も妊娠のためには大変重要な機能ですし卵管の末端には、卵管采というイソギンチャクのようなものがあり、卵子を捕まえる「ピックアップ機構」という機能が備わっていて、卵管采に性感染症などで癒着や閉塞があると「ピックアップ障害」がおこってきます。それが原因の判明しない「機能性不妊症」の一つの原因と考えられています。

妊娠までに様々なことが影響 目先のことだけでなく、具体的な計画を

妊娠までに様々なことが影響目先のことだけでなく、具体的な計画を

《 精子の状態 》
男性は年齢を重ねても女性ほど生殖機能に変化がないため明確な目安はありませんが、それでも精子にも加齢やストレスの影響はあると言われています。
60歳でも子どもに恵まれる人もいますがかなり個人差があります。男性も年齢が上がるほど仕事面などでのストレスの増加が大きくなり夫婦生活にも影響を与えることもあるでしょう。

《 社会的不妊 》
育児や仕事、生活環境の変化により夫婦の性交渉の頻度は、一人目の時より減少しているのではないでしょうか。社会的な要因も不妊の一つの要因と考えられ、セックスレスも不妊の問題になっています。
また、女性の社会進出が目覚ましく、現在は政府も女性活躍促進を掲げており、女性役員を排出させるよう指導もされています。責任あるポストに就いたりプロジェクトを任されたりすることが出てくる30代後半では、自分自身の妊娠に踏み切ることができにくくなっているのかもしれません。

目先のことだけでなく、それぞれのカラダの状態を知って、プランを立てることが重要です。
「いつか」ではなく具体的な計画を作成し、女性も男性も現在それぞれがどのようなカラダの状態なのか検査してもらい、その結果をもとにどのような家族構成にしたいのか、ライフプランを夫婦二人で考えてみる事を実行するようにしましょう。

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次回は 2024年 8 月 22 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

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