多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog

#08
赤ちゃんが泣くということ

唯一赤ちゃんにできる「泣く」ということ 赤ちゃんが自分を表現して訴える手段

唯一赤ちゃんにできる「泣く」ということ赤ちゃんが自分を表現して訴える手段

赤ちゃんが泣き始めると、周囲の人はなんとか泣き止ませようとしますね。それは、当然のことだと思いますが、そもそも「赤ちゃんは泣く」ものですし、泣くことでいろいろなことを伝えているのです。泣き止ませようとする前にどうして泣いているのかを解ろうとしてみましょう。
赤ちゃんはなぜ泣くのかを考えてみましょう。赤ちゃんにとって泣くことは、自分を表現すること、要求を伝えること、運動になること、そしてなにより泣くことは健康の証なのです。赤ちゃんが自分から訴える手段として、唯一できることが「泣く」ことなのです。泣いていることには、様々な理由がありますが、原因がわかるものは、それを取り除けば泣き止みます。

おむつが汚れている場合、泣いたらまずおむつの状態をみて、汚れていたらすぐに替えましょう。もっとも、最近の紙おむつは汚れていても気持ち悪くならない状態なので、おむつが汚れていることで泣くことが少なくなっていますね。
お腹が空いている場合も大きな声で泣きます。口に触れたものを吸い付こうとするしぐさがあるかどうかで判断できますね。
そして、眠いとき、眠気がでてきたときにぐずって泣く児は多いものです。寝付く状態にしてあげましょう。
生後3ヶ月を過ぎた頃には、甘え泣きをします。抱っこしてかまってほしい、という泣き方です。

その他、激しく泣き、あやしても変わらず泣き続ける場合、どこかに痛みや不快な事がある場合などがあります。熱や咳、鼻水などの他の身体の症状をみてみましょう。
でも、原因を色々取り除いても泣き止まない、原因が分からないまま泣き続けている事もありますが、赤ちゃんもいろんな気持ちがあるので、静かに見守ってあげるのも良いかもしれません!

夜泣きに悩んでいるママも多いですね。夜泣きについては奥が深いので別の機会にまたお話しますね。

泣いていることに応答することで 「こころ」が育まれる

泣いていることに応答することで「こころ」が育まれる

はじめはみな同じように聞こえる泣き声も、一緒にいる時間が増えるにつれ、よく聴いていると、何を伝えたいかがわかってくるようになります。残念ながら日中仕事をしているパパは、ママより一緒にいる時間が少ないため、なかなか聞き分けることができないかもしれません。

泣いている意味がわかってきたら、コトバと行動とで応えてあげてください。たとえば、お腹が空いて泣いているなら、「お腹が空いたね」と語りかけながら母乳やミルクをあげましょう。このとき、すぐに応えられないなら「ちょっと待っててね。トイレに行ってくるから」などと声をかけます。最初はグズッている赤ちゃんも、そのうち待ってくれるようになっていきます。

感覚器官の発達した哺乳動物で、生後1年の間歩けないのは人間だけです。泣いて自分の意思を周囲に伝え、周囲がそれに応えてあげることがとても重要なのです。
自分への温かさや優しさ、そして、人への安心感や信頼感など、人間としてもっとも大切な「こころ」を形成するための時期だからだと考えられています。泣いていることに応答することは、それを通して「こころ」が育まれるのです。

子どもだから泣くのは当然であっても 何気ない周囲への配慮はとても大事

子どもだから泣くのは当然であっても何気ない周囲への配慮はとても大事

先日、ベビーカーに乗った7~8ヶ月の児とママとが電車に乗ってきました。乗ってすぐに子どもがぐずり始めました。電車の中では、「どうしたのかしら」と周囲の人は泣いている赤ちゃんとママの様子に目を向けます。

私もそう思うのですが、子どもの泣き声が「うるさい!」などと怒ったりする人は、非難されますね。「子どもは宝だ」とか「子どもだから泣くのは当然だ」などと。ただ、その時のママの態度がとても大事だと思うのです。「お騒がせして申し訳ありません」という気持ちがあり、あやしたり、話しかけたりしてなんとかなだめようとしている姿をみれば、誰もそんな暴言は吐かないでしょう。でも、その時のママは泣いている児には目もくれず、スマホに夢中になってスマホをいじっているのです。子どもがどんどん大泣きになって来ているにもかかわらずです。

実際、私が子どもをあやしたくなりました。
こんなママの姿に対しては、「うるさい」などと言いたくなってしまうのではないかしら??と感じました。何気ないことでも周囲への配慮は、とても大事ですね。

過ぎてしまえば懐かしい生後1年 周囲の人に甘え、パパと一緒に育てる

過ぎてしまえば懐かしい生後1年周囲の人に甘え、パパと一緒に育てる

普段、24時間、赤ちゃんのために時間を使い、夜中も赤ちゃんのお世話で、続けて眠ることができないママ、独りでがんばっていると疲れ果ててしまいます。小さなでき事でも「私の育て方が悪いのかしら」などと自分をせめてしまうこともあるようです。
この時期のママ会では、ソーサーに乗ったコーヒーカップを前にして、「コーヒーをソーサーで飲むのなんて久しくないわね」といった声がよくきかれます。それくらい慌ただしい時間を過ごしているママ。周囲の人に甘えてください。パパも一緒に育ててください。育児そのものもそうですが、ママの話を聞いてあげてください。「自分の大変さを解ってくれる」という心の支えになってくれるならば、子育ても頑張ってやっていけると思います。そうなれば言うことなしでしょう。

子育ては、その時は大変でも過ぎてしまえば懐かしく想い出される生後1年間。「赤ちゃんは泣くのが仕事」と大きな気持ちでいましょう。ともかく泣き止ませよう!としなくてもいいのです。それでも泣き止ませたい時は、抱っこして「大丈夫よ!」とニコニコしながら声をかけてあやしてあげてください。

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次回は 2024年 3 月 14 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

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