#33
胎教について


胎教の一番の目的はお腹の赤ちゃんとのふれあい・対話と
母親のリラックス効果
赤ちゃんができた!とわかったときから、胎教のことを考えるママは多いことでしょう。言うまでもないことですが、胎教によって、天才児を作るというものではありません。ですが、胎児への教育をしたいと思い、英語算数を教えよう!と考えるご両親もいるでしょうか。実際それについては効果があるかどうかは不明ですが、そもそも胎教の一番の目的は、「お腹の赤ちゃんとのふれあい・対話」「母親のリラックス効果」と考えていただいたほうがわかりやすいでしょう。
胎教は、いつから始めていただいても構いません。妊娠したとわかったときからでも、胎動が出てきた時からでも、お腹がふっくらしてきたときからでも、いつからでもいいのですが、妊娠20~22週頃になると赤ちゃんの聴神経が働き始めて、外界の音が聞こえるようになるといわれています。この頃になると呼びかけなどに反応する可能性もあるので、胎教が楽しくなってくるでしょう。
でも、胎教をしたからといって、頭が良くなるという効果がわかる科学的なデータはありません。お腹の中の赤ちゃんとコミュニケーションをとることで、さらに愛情が生まれ、妊娠期間を穏やかに過ごすことに役立ちます。
では何をしたらいいのでしょうか。まずは話しかけをしてみましょう。今日はお天気がいいわね。お散歩に行ってみようか。など普通に会話するようにお腹の赤ちゃんとお話をしてみてください。胎児にニックネームをつけて、「〇〇ちゃんおはよう」「〇〇ちゃんおやすみ」とあいさつをしてもよいでしょう。パパも話しかけをしてみましょう。赤ちゃんが声を覚えてくれること、そして、きっとママパパとの信頼関係を築くことができるでしょう。お腹の中では外の音が聞こえています。場合によっては、お腹をけって、答えてくれるかもしれません。
音楽を聴かせるのもよいですね。音楽というとクラシックのような芸術性の高い音楽をイメージしがちですが、無理してクラシックを聴かせるより、ママパパの好きな音楽を聞かせてください。もちろんクラシック好きの人もいますが、J-POPが好きな人、ジャズが好きな人、など好みはいろいろですね。また子守歌やママの好きな十八番の歌などを優しく歌って聞かせてあげるのもよいですよ。胎内記憶として、生まれてからお腹の中で聞いていた音楽を好む赤ちゃんは多数いるようですから、生まれてから聞かせてみたいですね。
キックゲームをするのも楽しいものです。胎動がどんどん感じられるようになってきたら、お腹を優しくトンと叩いて合図を送ってみましょう。叩いた場所を蹴ってくることがあります。そんなふうに赤ちゃんに通じていると思うとうれしくなってきますね。でも毎回返してくれるわけではないようです。胎児は、20分の覚醒と20分の睡眠を繰り返しています。たまたまその時は、寝ているということもあるでしょう。そんなときは様子をみましょう。


ママがリラックスすることが大切胎教は義務ではありません
胎教と言っても毎日きっちりやる必要はありません。ママが疲れているとき、気分が乗らないときに無理して行う必要はありません。胎教とはママがリラックスしてほしいものなので、これがストレスになってしまわないようにしましょう。
また、話しかけたり音楽を聞かせたりするときは、静かな環境で行いましょう。胎内では、羊水の音やママの心臓音などが聞こえています。聞かせたい外の音が赤ちゃんに届きやすい環境にしたいですね。
でも、胎教はしなければいけないものではありません。
胎教をする意味は赤ちゃんとコミュニケーションをとって、赤ちゃんへの愛情がより深まることに重きを置いています。しかしながら、胎教をしないからといって、赤ちゃんが親の愛情を感じられないということはありません。気を付けたいことは、「赤ちゃんのために胎教をしてあげないといけない」と義務になったり、思いつめたりしないこと。ママが感じるイライラやストレスがお腹の赤ちゃんにはよくありません。
無理のない範囲でゆっくりのんびり楽しみながら、今しかできない穏やかな時間を過ごしてくださいね。

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助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
知っておいて欲しいこと


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