五感の最後は、皮膚・触覚についてお話しします。
赤ちゃんが皮膚で感じる触覚にはとても重要な役目があります。

皮膚・触覚スキンシップによって
親の愛情を感じ取る

触覚とは、五感の中でも一番早い時期に感覚として発達します。妊娠10週頃にはママのお腹の中で指しゃぶりを始めますが指しゃぶりは、触るということと触られるということを同時に感じる事ができる行動です。また痛みや温度を感じる皮膚感覚としての触覚は妊娠8週位から育ち始めています。

生まれてから１年かけてヒトは人間になる、というお話をしましたが人間になるためのプロセスにこの触覚は大きな役割を果たしています。赤ちゃんが感じる肌の刺激は直接脳の刺激にもなります。スキンシップによって赤ちゃんは親の愛情を感じ取ることができます。是非積極的にスキンシップを取ることをお薦めします。お風呂上がりに保湿のマッサージをすることなどはとてもよいことなので毎日やってあげてください。手のひら全体で胸、お腹、手、足、背中など保湿剤を全身に塗るのと同時にマッサージします。その際、皮膚になにかできていないか、トラブルが無いか、などもみましょう。マッサージすることで、オキシトシンという愛情ホルモンが出ますので、赤ちゃんにも、マッサージしている人も幸せな気持ちになるのです。これは、ママだけでなくパパにもぜひすすめてあげてください。

私は、4～5ヶ月位の赤ちゃんを対象にタッチケアセミナーを開催しています。
お母さんにマッサージの方法を教える講座ですが、いわゆるマッサージの方法を伝えるのではなく、お母さんと赤ちゃんの関わり方、絆をつくる方法としてのマッサージを広めています。方法にこだわるのではなく、赤ちゃんの今と向き合って話しかけ、どんな状態なのか、感情なのかを感じ合う事が大切です。ですから、赤ちゃんもマッサージする人も五感を使って行っているのです。

この講座に出てくれたお母さんたちと１ヶ月後にタッチケアをしてどうなったかを話し合う会をもったことがあります。その時、急に泣き出したお母さんがいました。
「私は今まで一生懸命子育てをしてきたつもりだったけど、タッチケアを体験してみてきちんと子どもの事を見ていなかったことに気がつきました。申し訳ない気持ちでいっぱいです。」と。
このお母さんは、一生懸命子育てしてきたからこそ気がついたことなのです。そのことに気が付かずに子育てをしているお母さんは沢山いますがむしろ気がついたことを褒めてあげたいですね。
タッチケアをした他の人の感想にも、生活にメリハリができた、子どもがちゃんと育っているということが確信できた、などの嬉しい感想がありました。

触れあうことでまさしく幸せホルモンがでているのですね ♪