多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog

#22
子どもの斜視は治せる?

目の発達に関わる 子どもの代表的な目の病気「斜視」

目の発達に関わる子どもの代表的な目の病気「斜視」

ママパパの中には、「私の赤ちゃん、目がおかしな方向に向いている!!」と、斜視を心配する方は少なくありません。
でも、赤ちゃんは、生まれてしばらくの間は、目の調節が出来にくくて視点が合いづらく、見る方向が定まらないものなのです。
目の機能もカラダの各種機能と同じように徐々に成長発達していくのです。

新生児期は、見る物への目の位置が定まらなかったり、鼻元や目の間が割と広いために目が内側に寄っているように見えることもあり、それが逆に赤ちゃんらしい愛くるしい表情を作っています。
それらは、見かけ上の斜視ですので病的なものではなく、成長とともに顔つきがしっかりしてくると気にならなくなってきます。

産まれてすぐの赤ちゃんの目は、大人と同じようには見えていません。ピントを合わせることができないので、ぼんやりとしか見えていない状態です。
赤ちゃんは、生後1ヶ月過ぎくらいからママやパパと目を合わせたり、ものを目で追ったりすることができるようになります。
そして、3歳くらいで視力が1.0くらい、6歳くらいで大人と同じくらの視力を獲得するといわれています。

この大切な時期に異常があると、目の発達に遅れがでてしまったり、充分に発達できなかったりします。それらを予防するためには、異常があれば早めに気づいて治療に取り組むことが大切です。斜視も目の発達に関わる子どもの代表的な目の病気です。

早く気づき適切なタイミングの治療が大切 「3歳児眼科健診」の受診を

早く気づき適切なタイミングの治療が大切「3歳児眼科健診」の受診を

斜視は、片方もしくは両方の目の眼球が外側や内側に向いてしまう病気で、視線が見ている方向に向いていない状態になります。片方の目が正面を向いているのに、もう1方の目が別のほうを向いているというのが、一般的な斜視です。
斜視は、約2%の子供に発生しており小児眼科の代表的な病気です。
斜視の子どもは視点の位置がずれたり、他の物に重なって見えたりする場合があるはずなのですが、子どもは頭の中でいらない方の1つの像を自然に消してしまっているのです。
ですから二重に見えてはいないのですが、平面的で立体感がない状態で見ています。
生まれながらにしてそのように見ているので子どもにとってはそれが当たり前になっているのです。

症状としては片方の目が違う方向を向いていることで、周囲の人たちは気づくことができますが常に斜視になっている場合と、時々斜視になる子もいます。
斜視はこのように、見た目上の症状だけではなく、斜視がある側の目を使わずに過ごしてしまうと、その片方の目が弱視になってしまうこともあります。
逆に、生まれつき両方の目を使うことができずに弱視があることが原因で、それをかばうようにして斜視になっている場合もあります。
他に斜視のサインとしては、左右の目の大きさが違う、片目だけで見ていることが多い、目を細めている、目の動きがおかしい、人と目が合わない、などがあります。

このような事に気づいたら、すぐに医師の診察を受ける必要があります。
斜視にもいろいろ種類がありますが、それによって治療も違ってきます。

メガネで視力を調整することにより治せる斜視と、手術でしか治せない症状があります。
目の手術となると怖いし、小さいうちはかわいそうに思うかもしれませんが、暴れてしまう可能性のある小さい子どもの場合には全身麻酔で行われることが多いので本人の負担は少なくなります。

斜視があると、両目で見るという機能が弱くなってしまい、目の発達に影響してきますので、早めに治療にとりかかる必要があります。
適切な時期に治療をすれば、正常な視力を獲得していくことができますので、早く気づいてあげる事と適切なタイミングで治療を受ける事が大切です。そのためには、「3歳児眼科健診」を受けましょう。
健診では、家庭での行動を細かく親が項目にそってチェックをする事を求められます。そしてその結果を基に医師の健診を受けることができます。
毎日の子供の行動を見ることで未然に斜視を治すことができるので、ちゃんと見守ってあげる事が大切です。

内容に関するご意見・ご感想や
育児のお悩みを募集

「助産師さんに聞いてみた」では、今後取り上げて欲しいお悩みを随時募集しております。お問い合わせフォームからご意見・ご感想や育児にまつわるお悩みなどをお寄せください。

件名欄を「助産師さんに聞いてみた」に関するご意見・ご感想に

お問い合わせフォームの件名欄を「助産師さんに聞いてみた」に関するご意見・ご感想を選択の上、内容を入力し送信ください。

  • 内容確認のためご連絡させていただく場合がございます。
  • 返信や記事に取り上げる等のお約束はできません。あらかじめご了承ください。



毎月 第2・第4木曜日に更新

次回は 2024年 10 月 10 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

助産師として多くのママをサポートした経験から、
知っておいて欲しいこと

Check! あいまいさに耐えるということ
助産師さんに聞いてみた - TOP
INDEX助産師さんに聞いてみた

多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog

→ more