#31
〜 誰にも言えない、聞けないこと 〜産後のセックスいつから?


妊娠出産後セックスレスにならないために
妊娠出産後、セックスレスになってしまったというご夫婦は意外に多いようですね。
仕事や育児に追われて、セックスどころではないという方もいらっしゃるでしょうし、いつから再開していいのかきっかけがつかめないという方も多いと思います。
言うまでもなくセックスは子どもを作るための行為ではありますが、それだけではありませんね。パートナーとの愛情を互いに確かめる為のスキンシップ、カラダだけでなく精神的な結びつきも深めてくれる行為でもあります。
セックスレスにならないために産後のセックスについて考えてみましょう。
《 ではいつから可能か 》
出産後の1ケ月健診を終えて、順調に回復している診断が出され、さらに気持ちのゆとりがあるならば再開は可能です。
ただし、悪露が完全に止まっていること、出産時の傷が回復していることが再開の最低の条件です。これらの回復が不十分な状態でセックスを行うと感染症や体調不良のリスクが高まる可能性があるので、無理せず医師の判断を仰ぎましょう。
1ケ月健診でお医者様からは可能だといわれても本人が肉体的にも精神的にも余裕がなくまた女性は赤ちゃんを産んだことで母性が目覚め優先されるため、子どもができる前に持っていたパートナーへの気持ちにも変化があり、セックスを求められても受け入れらないということもあるでしょう。そんなときは、今の気持ちをきちんと言葉で伝え、相手を傷つけないように理解してもらいましょう。
《 膣に痛みがある場合 》
産前と同じようにセックスしてみたけど、膣が十分に潤わない、会陰部の傷に触れて痛みを感じるということもあるでしょう。
このような痛みは、産後のカラダの変化によるものなので、ほとんどは時間の経過と共に解消されます。ここで無理をするとカラダにダメージを受けてしまうこともあるので、ゆっくりと回復するのを待ちましょう。
また授乳中だとホルモンバランスが変化しているので膣を潤す分泌量が減り乾燥してしまい、男性器を受け入れる際、擦れて痛みがでることがあります。
産後半年くらいすると潤いは戻るといわれていますが、個人差があるので痛みが生じる場合は潤滑ゼリーなどを使用するのもよいでしょう。
《 出産時の経験による不安や緊張 》
出産のときの痛みは個人差がありますが、中には一生忘れられないような苦しみを経験した人もいます。あまりにも強い苦痛を経験してしまうとセックスのときにも出産のときの辛さを思い出してしまって強いストレスを感じることがあります。
不安を感じて緊張があると性の快楽中枢が上手く働かず膣の潤いが不足してしまいます。婦人科での検診では問題がなかったとしても、心理的な問題が原因で潤いが足りなくなっている場合はパートナーと話し合い、不安になった原因についてや自分の気持ちを伝え、ゆっくり焦らないようにしましょう。
《 なんとなく疎遠に 》
子供ができると互いに求めることもなく、何となくセックスレスになってしまう場合も多いようです。
疲れているだろうとお互いに相手を思いやって、気持ちを押し殺しているかもしれません。二人の時間を作ってみたりして、お互いの気持ちを確認してみましょう。手紙やメールでも構いません。自分の気持ちを伝えることが大事です。またセックスにこだわらず、お互いに触れあうことから距離を縮めてもいいですね。セックスをしないことは悪いことではありませんが、気持ちがすれ違っている可能性がありますので、わかりあったうえで納得できる選択をしたいですね。


個人差がある排卵二人目について
《 二人目の赤ちゃんについて 》
産後しばらくは生理がないので妊娠はしないと思い込んでいる人が割と多いようです。
一般的には産後3カ月以上経ってから排卵が再開するといわれていますが、それも個人差がありそれより早く排卵がある可能性もあります。排卵は必ず月経前におこるものですから、産後月経をみないで妊娠するケースがあります。予期せぬ妊娠を防ぐためには産後すぐのセックスから避妊が必要です。産後すぐはコンドームが適していますが、産後6週間を過ぎたらIUD(子宮内避妊具)が使用できます。またピルは授乳している場合は産後6か月からの服用が可能になります。
《 二人目不妊について 》
1人目の出産年齢が高齢化している為に二人目を妊娠しにくくなっているケースが目立ちます。高齢出産である35歳を過ぎると卵子の数も精子の数も減少するので妊娠する確率も下がります。夫婦で次の子どもをどうするのかもしっかり話しあっておきましょう。
夫婦にとってセックスは重要な行為でありますが、2人の気持ちや夫婦の絆がきちんと保たれていれば必須というものではありません。多様な価値観、生き方が許される現代、こうあるあるべきという考えに惑わされず、それぞれの「夫婦のかたち」を築いていくことが大切です。

内容に関するご意見・ご感想や
育児のお悩みを募集
「助産師さんに聞いてみた」では、今後取り上げて欲しいお悩みを随時募集しております。お問い合わせフォームからご意見・ご感想や育児にまつわるお悩みなどをお寄せください。

お問い合わせフォームの件名欄を「助産師さんに聞いてみた」に関するご意見・ご感想を選択の上、内容を入力し送信ください。
- ● 内容確認のためご連絡させていただく場合がございます。
- ● 返信や記事に取り上げる等のお約束はできません。あらかじめご了承ください。
毎月 第2・第4木曜日に更新
次回は 2025年 2 月 27 日(木)に配信予定
お楽しみに!




助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
知っておいて欲しいこと


多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog