#28
赤ちゃんが泣くということ その2
何かを伝えようとする赤ちゃん泣き方には違いがある
赤ちゃんは泣くのが仕事といわれますが、泣き声を聞いているママパパは情けなくなったりイライラしたり腹が立ったりすることがありますね。赤ちゃんにとって泣くことは、要求を伝えること、運動になること、そしてなによりも元気であることの証でもあります。
ですから、泣くことを怖がる必要はありません。運動にもなるので泣かせる時間も必要でしょう。
そして、個人差はありますが赤ちゃんの泣き方にも違いがあることがわかってきます。
- ● お腹がすいた時は徐々にぐずぐず泣き出すという感じ。
- ● ママがそばにいないときは急にびっくりしたように泣き出すことも。
- ● 4か月を過ぎると寂しさや不安を表すために泣くことも。
- ● ただただ甘えて泣くことも。
このように赤ちゃんは、泣き方を変えてママに伝えようとしていますのでしっかり受け取るようにしましょう。
メッセージにしっかり応えていると、すぐに抱っこできない場合でも「ちょっと待っていてね」と目をみて伝えると待つことができるようになります。
「 #08 赤ちゃんが泣くということ 」も読み返してみてください。
PURPLE Crying激しく泣く原因について
新生児~6か月くらいの赤ちゃんが激しく泣くとき、いろいろな対処をしても泣き止まないことを表す表現を「 PURPLE Crying 」と言います。親を悩ます泣く時期、泣き声があるという英語の頭文字からきています。
《 PAEK OF CRYING 》
「赤ちゃんには泣くピークがある」という意味です。ピークに達するまでは、赤ちゃんは泣きつづけるので、赤ちゃんが泣いているのに付き合うつもりで接しましょう。数分で泣き止むことはなさそうです。
《 UNEXPECTED 》
「予想できない」という意味です。赤ちゃんが泣く理由は予想できません。その日によってすぐに泣き止むときといつまでも泣いているときもあり、予想できないことが多いです。
《 RESISTS SOOTHING 》
「なだめられない」という意味です。どんなにあやしても抱っこしても、お気にいりのおもちゃを見せても泣き止まないことがあります。お手上げですね。
《 PAIN-LIKE FACE 》
「痛そうな表情」という意味です。泣いているときの赤ちゃんの表情が、悲しそうなつらそうな表情をしています。理由がわからないままなので赤ちゃんを見るとこちらも辛くなってしまい、子育てがうまくできていないのかしら、と感じてしまいそうです。
《 LONG LASTING 》
「長く続く」という意味です。長時間泣き続けられるとお手上げ状態になってしまいますね。声が大きいと周囲へ影響も考えてしまいストレスになります。
《 EVENING 》
「夕方に泣く」という意味です。日本でも夕暮れ泣きなどといいますが、夕方になると決まって泣きだす状態に困ってしまいます。
世界中で赤ちゃんの泣くことについて困っている人がいるという事ですね。
泣き止まないことにイライラしてもあやす時にしてはいけないこと
ここで泣いている子をあやす場合気を付けてほしいこと、してはいけないことを記しておきます。
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● 怒鳴ってイライラをぶつける
幼児期になれば親が怒鳴ると泣き止んだりするかもしれませんが、赤ちゃんは怒鳴っても怒っても決して泣き止みません。不穏な空気を感じてかえって激しく泣き出すことでしょう。怒った顔で抱っこされても気持ちがいいわけがありませんので、「安心して!」という気持ちをもってゆったり抱っこしてください。 -
● 激しく揺さぶる
頭への強い衝撃は、脳にダメージを与えます。赤ちゃんが泣きやまないときにイライラして、強くゆすってしまうと赤ちゃんの脳はとても柔らかくデリケートですので脳の周りの神経や血管がちぎれた状態になってしまいます。2秒間に5回以上頭を急激に揺する・顎が胸につくぐらい頭を前後にガクンガクンと動かすなどを「揺さぶられっこ症候群」といい言語障害や失明などの後遺症、脳へのダメージ、最悪では死に至ることもあるので絶対にやってはいけません。 -
● 口をふさぐ
大きな声で泣いている赤ちゃんの口を手でふさぎたくなることがあるかもしれませんが、決してやってはいけません。赤ちゃんが窒息してしまう可能性があります。
激しく泣く赤ちゃんを無理に泣き止ませようとして泣き止まないことにイライラしてしまうことがあるかと思います。ただ赤ちゃんは理由がはっきりしなくて泣いていることも多く、産まれて間もない赤ちゃんはまだまだ分からないことがたくさんあるのです。
赤ちゃんの泣いている理由が分からなくても、決してママが悪いわけではありません。
成長する過程で起こる一つの現象だと思って気長に接してあげてください。
そして、ママが疲れた時は少し他の人にお願いして是非リフレッシュする時間を取ることをお勧めします。
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助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
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