#55
母乳のトラブル
ママが1人で悩まない為に母乳のトラブルと対処法
母乳育児はとても素晴らしいことですが、母乳育児をしていることで悩みや困ったことが起こることがあります。それらのトラブルについて、ママが1人で悩まない為に対処法も含めてお話ししましょう。
《 乳房のしこり 》
トラブルの中で多いものが乳房のしこりです。しこりは乳管の一部が詰まってしまうことでおこります。疲れやストレスが溜まっているときに起こりやすくなり、疲れやストレスは免疫バランスを壊してしまい、乳腺組織内に炎症を起こしやすくなります。
また、赤ちゃんがきちんと飲んでくれない時や分泌過多、乳首を噛んだりひっぱったりすることも一因になります。
〈 対処法 〉
赤ちゃんが母乳をあまり飲まないときは、できるだけ搾乳をして母乳を出し切ってください。
赤ちゃんに飲みきってもらうのが一番の解決策ですね。
ママには熱がなく、胸の痛みだけで、赤ちゃんがよく飲んでくれれば大抵数日で解消します。赤ちゃんがたくさん飲める体制を考えて、同一姿勢だと同じ乳腺からだけしか飲まれていない可能性もありますので、フットボール抱き、横抱き、縦抱きなどポジションを変えて授乳してみてください。
《 乳腺炎 》
乳腺炎は、おっぱいにしこりができてしまい触ると痛い、赤く腫れている、おっぱいが熱を持っている、38℃以上の高熱があり震えがある、母乳に血液や膿が混ざるなどの症状があります。
これらの症状をそのままにすると、治療のために母乳育児を一時中断せざるを得なくなり、場合によっては入院が必要になることもあります。ですから早めの対処が大切です。
〈 対処法 〉
まずは炎症の原因を取り除く必要があります。
- ● 乳腺のつまりが原因である場合は乳腺を開通させましょう。しこりのある部分から乳頭にむかって母乳を流すようにマッサージして、その後母乳を赤ちゃんに飲んでもらいましょう。飲み残しのある場合は搾乳をして母乳を溜めないで出し切るようにします。自分でできないようであれば、助産院でやってもらうのがベストです。
- ● 疲れがたまっていたり、身体が冷えていたりすると乳腺炎が起こりやすいので、休息をとりましょう。
- ● きついブラジャーや服装は避けましょう。
《 乳頭の裂傷 》
赤ちゃんが乳首をくわえる位置が適切でない場合や口を離すときに乳首を引っ張ってしまう場合に乳頭に傷が入ってしまうことがあります。
また、赤ちゃんに歯が生え始めたころには噛んでしまうことでも起こります。
裂傷を放置して授乳を続けていると、裂傷がひどくなって痛みのために授乳ができなくなることもありますので早めに治すようにしましょう。
〈 対処法 〉
赤ちゃんの抱き方を工夫して、傷が赤ちゃんの下あごに当たらないようにしてみましょう。乳輪全体を口にふくませて乳首を引っ張らせないようにします。
そして、授乳後には馬油や羊油など、赤ちゃんの口に入っても大丈夫なオイルを乳頭に塗って保湿しましょう。オイルを塗った後はラップを小さく切って覆うようにすると保湿効果が高まります。痛みがある場合は病院で軟膏を処方してもらうこともできます。
《 白斑 》
白斑は、乳頭に出来る白いニキビのようなものです。白斑が母乳の出口をふさいでしまうと母乳の詰まりや炎症の原因となります。痛みの有無や乳口からの母乳分泌の有無などは症状にも個人差があります。
白斑ができる原因としては、授乳間隔があいてしまう、授乳姿勢が不適切、赤ちゃんの吸着が浅い、きついブラジャーの締め付け、などが考えられます。
白斑は、乳房で作られた母乳がきちんと排出されていないと起こるものです。
再発も起こりやすく乳腺炎を起こしやすい状態でもあるため、授乳方法の見直しが必要です。
〈 対処法 〉
白斑のできた乳頭を吸われると痛みが生じますが、赤ちゃんには影響がないので、母乳授乳自体はそのまま継続できます。
ただ、痛みが強くて授乳がストレスになってしまう場合は、無理に授乳は続けず、搾乳だけにして搾乳したおっぱいを哺乳びんで飲ませてあげるのもいいでしょう。でも授乳を休んでも白斑の回復はあまり期待できません。
授乳姿勢とおっぱいのくわえ方を修正することが回復への近道だといえます。
授乳姿勢の改善以外にできることとしては、
- ● 締め付けるブラジャーは使用しない
- ● ゆっくりとお風呂の入る
- ● 乳頭マッサージを行う
- ● 睡眠やリラックスする時間をとる
- ● バランスのよい食事を摂る
母乳のトラブルを起こさないためには、何よりも疲れをためないように休息を取ることが大切です。また身体を冷やさないよう入浴の習慣も大切です。
育児の合間にストレッチをしてみましょう。授乳や抱っこで肩や背中がコリコリです。肩回しや伸びをしてみてください。筋肉がほぐれ血行が促され気持ちも明るくなります。
これからの長い子育ての中で、母乳育児の時間はアッという間のものです。できるだけ母乳のトラブルを起こさないように気をつけて楽しい母乳育児をしたいものですね。
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助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
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