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#49
赤ちゃんの体温調節

大人よりも体温が少し高い赤ちゃん 快適に感じる温度は大人と同じ

大人よりも体温が少し高い赤ちゃん快適に感じる温度は大人と同じ

赤ちゃんは体温調節がうまくできないので、室内の温度で調節して、着るものはできるだけ薄着にするのが理想です。
真夏の暑さや真冬の寒さについては適応しにくい環境ですので1年未満の赤ちゃんは特に室温に気を使ってあげましょう。気温や湿度に体温が影響されやすく体調が変動しやすくなっています。
大人よりも体温が少し高い赤ちゃんですが、快適に感じる温度は、大人と変わりません。暑すぎず、寒すぎないように注意しましょう。

湿度についてですが、赤ちゃんが快適に感じる湿度は1年を通して50~60%です。
赤ちゃんの肌は、角質層の厚みが大人の約2分の1と薄く、刺激に弱くデリケートです。
換気に気を配りながら、加湿器や除湿器などを活用し快適な湿度を保つようにしましょう。

室温や衣服、寝具で調整 冬季・夏季の過ごし方

室温や衣服、寝具で調整冬季・夏季の過ごし方

〈 冬季 〉
冬の間エアコンなどを使用する場合、温度は20~25℃位が適温ですが、空気が乾燥しやすくなりますので加湿器を併用しましょう。
しかし、冬というだけで、「寒くならないように!」と思って、かえって着せ過ぎだったり、掛物をかけて、温めすぎてしまうことがよくあります。
赤ちゃんの頭や背中に手を入れて、汗をかいている状態ならば、暑がっている証拠です。赤ちゃんは、蒸し暑くなると、首のしわの奥やわきの下、鼠径部が赤くなります。また足の裏を触ってみてください。眠い時や具合の悪いときに熱くなることがありますが、それ以外で足の裏が熱くなっているようならば、暑くなりすぎの可能性があります。機嫌が悪い時や眠りが浅い時も暑くなりすぎていないか注意しましょう。
温めすぎると乳児突然死症候群の誘因の1つとなり、熱中症のリスクにもなるので気を付けてくださいね。
赤ちゃんが寒がっているときは、顔色や唇の色が悪くなり、お腹や背中などが冷えています。手足が冷たいだけでは、寒いわけではないので、心配いりません。
寒い季節に赤ちゃんが寝るときに着る服装は、綿100%などの肌触りのよい冬用肌着を着せ、その上にパジャマを着せ、スリーパー、腹巻など掛物で調整しましょう。
暑くなりすぎず、寒くなりすぎず、調整しましょう。
寒い時のサインとしては、

  • お腹や背中がひんやりしている
  • 唇の色や顔が青い
  • 震えている

などが寒い時の状態です。室温を上げることや衣服や寝具で調節してください。


〈 夏季 〉
夏は、外気温との差が大きくなりすぎないようにエアコンの設定温度に注意しましょう。夏季は25~28℃と言われていますが、外気温よりも4~5度くらい低くするのが適当でしょう。
夏場や梅雨の時期はカビの原因にもなる湿度には十分な注意が必要です。
快適な湿度は50~60%が目安とされています。湿度が60%以上になると赤ちゃんは不快に感じてしまいます。
梅雨時や夏場の湿度が高いときは除湿器を併用しましょう。
エアコンの風が赤ちゃんに直接当たらないように注意しましょう。エアコンを上手に使い、冷気が直接身体に当たらないように。露出している手足がエアコンなどで冷やされすぎると、脳が「体温を上げろ!」という指令を出し、その結果体温が上がり、背中などにたくさん汗をかくことがあります。極端に暑すぎても寒すぎても赤ちゃんは泣いて意思表示しますので、機嫌がよければ心配ないと思います。
赤ちゃんが暑いときのサインとしては、

  • 顔が赤くなっている
  • 頭や首が熱い
  • お腹や背中に汗をびっしょりかいている

室温をやや下げるか衣服を薄手のものに替える、寝具を減らすなどしてみましょう。


手足を触って 赤ちゃんの状態を把握する習慣を

手足を触って赤ちゃんの状態を把握する習慣を

赤ちゃんが寝ている高さに温度計や湿度計を置いてみてこまめに環境をチェックするとよいですね。
赤ちゃんの手足は、外気温の影響を受けやすくセンサーとなって体温調節をしています。手足を触って冷たく感じても、手足の血管を締めて、体の中心部に血液を多く送っているので身体は温かいはずです。手足が冷たくてもお腹や背中に手を入れて温もりがあるようならば、一般的には赤ちゃんは快適な状態にあると判断してよいでしょう。
体が熱い時や眠いときには、手足の血管を広げて熱を放出して、体の温度を下げるという働きもしています。
手足を触って今の赤ちゃんの状態を把握する習慣をつけたいものです。

赤ちゃんの正常な体温は、36.3~37.4℃位ですが、個々の赤ちゃんにより個人差があります。健康な時の平熱を覚えておいて、平熱よりも1度高い場合は熱があると判断します。
ただ、暑い部屋や厚着しているだけでも体温があがりますので状況判断も必要です。
38℃以上の熱が続き、機嫌が悪い、ミルクを飲まないなどの症状があれば、すぐに医療機関に連絡しましょう。
普段、健康な時の赤ちゃんと向き合っている事で赤ちゃんが暑がりなのか、寒がりなのか、どんな状況が好きなのかも知ることができるようになってくることでしょう。

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次回は 2025年 11 月 27 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

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