多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog

#45
産後のホルモンバランスと過ごし方

前回 #44 では妊娠にまつわるホルモンの変化についてお話しました。
今回はその続きとして、変化の大きい産後の過ごし方についてみていきましょう。

いろいろな影響を及ぼす 産後の急激なホルモンの変化

いろいろな影響を及ぼす産後の急激なホルモンの変化

産後のママの身体は、ホルモンの急激な変化によって、心身共に不調を起こしやすくなっています。
産後にどのようなホルモンの変化が起こるのかを知って、産後を健やかに過ごしたいものです。

妊娠中、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが胎盤から大量に分泌されていますが、出産すると胎盤がはがれてその分泌量はほぼなくなります。
一方産後は、乳腺刺激ホルモンであるプロラクチンや母乳の分泌を促したり子宮を元の大きさに戻す働きのあるオキシトシンの分泌が顕著になります。
このように出産直後には急激なホルモンの変化が起きるので、身体にもいろいろな影響を及ぼすことになります。
前回の「 #44 妊娠によるホルモンの変化 」ではそれに伴って起こる心身の変化について記しましたので、そちらも御覧ください。

産後のホルモンバランスを整えるために 意識してほしい過ごし方

産後のホルモンバランスを整えるために意識してほしい過ごし方

産後のホルモンバランスを整えるために意識してほしい過ごし方を紹介しますので、無理せずできるものから取り入れてみましょう。

産後6~8週間くらいのママの体を産褥期といいます。この産褥期の過ごし方がこれからの体調に影響しますので、決して無理をしないように過ごしましょう。「自分では元気だからなんでもできる」そのような気がしてもこの期間はできるだけ身体は横になって休み休み過ごすことが大切です。

産後1~3週間は、出産のダメージが大きく残っている時期です。授乳など赤ちゃんのお世話以外は他の人に頼んでやってもらいましょう。
そして、できるだけ身体を横にすることを心掛け、赤ちゃんが寝ているときは一緒に休むことが大切です。
家庭の事情で他の人に頼むのが難しい場合は食事の宅配や産後のケア・サービスなどお願いできるものがありますので事前に調べておくとよいですね。

〈 産後3~4週間 〉
体力は、少しずつ回復してきていますが、まとまった睡眠がとりにくく、また育児の疲労などが蓄積している時期です。
身体を休ませながら、無理しないで簡単な家事から始めて、身体を慣らしてきます。
家事のレベルは、妊娠前の状態を目指すのではなく、身体への負担を少なくするために簡単に食べられる食品など便利なものを活用しましょう。
赤ちゃんと一緒に近所へお散歩を始めてみましょう。新鮮な空気でリフレッシュでき、気持ちがいいですし赤ちゃんの五感を刺激することにもなります。

〈 産後5~8週間 〉
産後1か月健診を終える頃には、心身もかなり回復してきたという実感があるでしょう。
でも妊娠前の身体になるには、産後3カ月~1年はかかるといわれていますので、無理は禁物です。体調をみながら引き続き家族のサポートを受けて、育児や家事の合間は休むようにしましょう。

まずママの身体の回復が最優先 食事と睡眠

まずママの身体の回復が最優先食事と睡眠

〈 バランスのよい食事を 〉
産後のホルモンバランスを整えるためには、バランスのよい食事を摂ることが大切です。
特に産後しばらくは、たんぱく質、鉄分、ビタミンなどが不足しがちですので、1日3食肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質や野菜を摂ることを意識してしっかり食べてください。

〈 睡眠の確保 〉
急激に女性ホルモンの分泌量が変わるので、身体は疲れているのに眠れないこともあるでしょう。徐々にホルモンバランスも戻ってきますので過度に心配する必要はありません。
ただ、眠る時間があるのに眠れないという状態が続く場合は、うつ状態の可能性もあるので医療機関に相談しましょう。
新生児期の赤ちゃんは昼夜の区別がありませんので、生活リズムを整えて、規則正しい生活を心掛けましょう。


産後は、自分ではコントロールできないような心身の不調をきたすことがあります。加えて育児や家事に対して頑張りすぎると、不調をきたし、悪化させてしまうこともあります。
まずママの身体の回復が最優先です。育児は一人ではできないものです。すべて自分でやろうと抱え込まず、周囲の人に頼りましょう。また自分の気持ちや抱えている不安などを周囲の人に話してみましょう。大事なことは、早めに相談することです。無理をしている状態が続くと、産後鬱状態になってしまい、周りにSOSを発することもできなくなります。何か不安を感じたら早い時期にまわりへ相談してください。頼れる家族や友人がいればすぐお願いできるように産前から話し合っておきましょう。
頼る人がいなければ、出産した施設や地域の保健センターなどの相談窓口を活用してください。必要に応じたサポートや継続的なフォローを受けられるだけでなく、利用できるサービスや情報の紹介などもありますので、今後の育児支援にもつながり安心な育児ができると思います。

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毎月 第2・第4木曜日に更新

次回は 2025年 9 月 25 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

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