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卒乳はいつするの?
授乳はスキンシップとして大きな意味も赤ちゃんの様子やママの体調で最適な時期を決める
赤ちゃんは、生まれてから数カ月間すべての栄養を母乳やミルクからとっています。
数ヶ月後には離乳食が始まりますが、抱っこしておっぱいを飲ませることはスキンシップとして大きな意味を持っていて、栄養摂取と同時に安心感や満足感を得る事ができます。
だからこそ授乳をやめることは、簡単なことではありません。
WHO(世界保健機構)は、2歳またはそれ以上での母乳育児を続けることを勧めています。またアメリカ小児科学会も「少なくとも12カ月、それ以後は母と子が望む限り長く授乳を続けることが勧められる」としています。
日本でも断乳という言葉は、母子健康手帳からなくなり、「断乳の完了」も問われなくなりました。これは母乳を長く続けていることで、メリットがある!という科学的根拠に基づいていることなのです。
かつては、離乳食が進んできたら大人が時期を決めて、おっぱいやミルクを与えることをやめる「断乳」が一般的でした。
今は、赤ちゃんがおっぱいや哺乳瓶から自然に離れていくのを待つ「自然卒乳」、ママの仕事復帰などで日中に母乳をあげられなくなる「部分卒乳」、ママが卒乳を考え子どもの様子や乳房の状態をみながら徐々に回数を減らしていく「計画的卒乳」といった方法が「卒乳」と考えることが一般的となりました。
1歳になる前に卒乳できる子もいれば、大人と同じような食事をとるようになった3歳児でもまだ飲み続けている子もいます。もちろん早いからいい、長く飲んだ方がいい、というものでもありませんので、赤ちゃんの様子やママの体調を見ながら、最適な時期を決めたいものです。
卒乳は大きな変化の時赤ちゃんとママの気持ち両方の準備がとても大切
一般的には、ミルク授乳よりも母乳授乳のほうが難しいとされる卒乳。スムーズに進めるためには、しっかりと事前準備をしてから徐々に始めるようにしましょう。そうして1か月位の時間をかけるつもりであせらずにゆっくり進めていきます。
卒乳の方法を初期段階のポイントからみていきましょう。
1. 離乳食で栄養がとれている
離乳食を1日3回食べていて、おっぱい以外でも栄養がとれていることが肝心です。
2. 母乳授乳以外で水分がとれるようになっている
それまで飲んでいた母乳のかわりに牛乳やフォローアップミルク、麦茶などをコップやストロー、マグカップで飲めるようになっている必要があります。
3. 言葉で伝える
突然授乳をやめてしまうのではなく、卒乳することを言い聞かせてみましょう。
「大きくなってきたから、おっぱいとバイバイするんだよ。」「あと〇回寝たらバイバイしようね」など話しかけてみましょう。
4. 授乳回数を徐々に減らす
様子を見ながら、授乳回数を徐々に減らしていきましょう。まずは離乳食の後の授乳の時間を短くしましょう。10分あげていたら、8分、7分、6分というように授乳時間を短縮していきます。授乳時間を短くしても赤ちゃんが気にせず、おっぱいをすんなり離すようならば、その他の授乳時間も同じように減らしていきます。
5. スキンシップをしっかりとる
今まで母乳授乳でスキンシップをしてきた分、卒乳することでスキンシップ不足にならないように抱っこしたり一緒に遊んだりすることを意識して心掛けてください。
6. 乳房の状態
母乳授乳の回数や1回の量を減らしていくことで、乳汁産生抑制因子が生成されて母乳の生成量も減ってきます。しかし、おっぱいが張ってきた場合はしっかりと搾乳で排乳して張りとしこりを取り除いて乳腺炎の予防を心掛けてください。
7. ママの気持ち
母乳授乳をすることはママにとっても至福の時間です。おっぱいをあげられなくなるのはとても寂しいこと。「子どもの成長」と思って納得する必要があります。前向きな気持ちで卒乳できように周囲の人のサポートも大事です。
赤ちゃんがママのおっぱいを欲しがる回数が自然と減り授乳に対する興味が薄れてきた時が卒乳の準備ができてきている時だといえます。またおっぱいやミルクよりも固形物への興味が強く表れはじめたら卒乳を実施してもいいでしょう。
卒乳を周りの人が始めたから私もやめなければ、などという理由ではなく、赤ちゃんの気持ちとママの気持ち両方の準備が整っている事がとても大切です。
卒乳は、赤ちゃんとママにとって大きな変化の時といえます。赤ちゃんと一緒に無理のない様にゆっくり焦らず進めるようにしましょう。
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助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
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