#52
赤ちゃん連れの旅行
無理のない計画を赤ちゃん連れの旅行
旅行に行くことは楽しい事ですが、赤ちゃんを連れての旅行は大人だけの旅行と違って、注意しなくてはいけないポイントがたくさんあります。旅行に行く前の準備から、出発する当日のこと、そして旅行中のことなど考えてみましょう。
そもそも赤ちゃんは何カ月頃から旅行に連れていっていいのかしら?と考えてしまう方もいらっしゃるでしょう。
明確に決まってはいませんが、生後5~8カ月前後ならば可能だと言えるでしょう。大切な事は、最低限首が座っていることが目安にはなりますが、赤ちゃんは個人差が大きいので赤ちゃんの体調に合わせて無理のない計画を立てる事が大切です。
○ 行く前の準備 ○
スケジュールを考える
赤ちゃんが心地よく過ごせることを第一に予定を考えましょう。赤ちゃんに負担がかからないように、授乳時間や昼寝など普段の生活に合わせたスケジュールを作ることが大切です。おむつ替えや授乳、服が汚れたなど想定外のことが起こることを考えて、時間に余裕をもった計画にしましょう。
でもせっかくの旅行ですから、パパ、ママもリフレッシュできるように、ストレスのない旅で日頃の疲れを癒したいものです。
ホテル選び
まず、旅先でのホテルを決めなくてはいけません。
赤ちゃん連れ歓迎の宿がいいですね。スタッフの対応が優しくて慣れているので赤ちゃんファーストで過ごすことができるでしょう。
また宿泊先に寝具の内容を確認しておくといいでしょう。ベビーベッドなのかベビー布団なのかなど。
寝かせるときに、いつも自宅で行っている「ねんねルーティン」をいつも通りに行いましょう。同じ流れを体験することで「これからねんねするんだね」と赤ちゃんに伝わって、安心感につながります。
旅行中はママ・パパもいつもより疲れますので、赤ちゃんの添い寝をしたまま寝入ってしまうことのないように注意してください。
せっかく旅行に行くのだからいろいろ体験させてあげたい!と観光地をたくさん巡っても赤ちゃんは疲れてしまうだけです。ゆったりした滞在がベストです。欲張らずに1か所でいろいろ楽しめる場所を選び、移動時間も極力短めにしましょう。
もしもの悪天候になった場合のことも考えておきましょう。
○ 移動手段 ○
移動は、車、飛行機、電車等が考えられますが赤ちゃん連れの場合は、車がベストです。赤ちゃんの初めての旅行は車がいいでしょう。
1. 車移動
グズっても周囲に迷惑が掛からないし、荷物が増えても運びやすい、などのメリットがあります。しかし渋滞に巻き込まれる場合もあるので、その際の授乳やおむつ替え、おもちゃ、休憩ができる場所など事前にリサーチしておきましょう。
赤ちゃん用のチャイルドシートを使用すれば、1~3カ月の赤ちゃんでも車移動は可能です。しかし、赤ちゃんにとって長距離ドライブ自体が負担になりますので、赤ちゃんの様子には細心の注意を払いましょう。
〈 車移動での注意点 〉
赤ちゃんを乗せて移動する際には、通常とは異なることがあります。
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● こまめに休憩をとる
赤ちゃんはまだ体力が弱く免疫力も低いので、こまめな休憩が必要です。
長時間のドライブでは、1時間に1回は休憩を取りましょう。高速道路に乗る場合は、事前にサービスエリアの場所をチェックして、休憩の間隔があきすぎてしまわないように注意する必要があります。 -
● いつも以上に丁寧な運転を心掛ける
車の揺れや衝撃、急ブレーキなどによる負担をできるだけ少なくするためにも、いつも以上に車間距離をあけて丁寧に運転しましょう。 -
● 赤ちゃんの健康状態を最優先させる
車内での暑さや直射日光は、赤ちゃんにとって大きな負担となってしまいます。
日よけを設置したり、エアコンの温度設定に気を配ったりして、赤ちゃんの健康状態を最優先に考えましょう。 -
● 渋滞の場合の対策をしておく
渋滞に巻き込まれて赤ちゃんの機嫌が悪くなってしまったときの対策を考えておきましょう。普段家で使っているおもちゃなどを車に用意しておきましょう。 -
● 車中に赤ちゃんだけを残さない
赤ちゃんを車中に残したまま、車を離れる事は、熱中症などを引き起こしかねませんので、たとえ短時間でも絶対にしてはいけません。
ちょっとした時間の買い物でも赤ちゃんを車に放置しないことを徹底しましょう。たった1分のつもりでも危険です!
2. 飛行機移動
どうしても飛行機でなくては行けないところもありますね。
飛行機の最大のメリットは、目的地への時間短縮、赤ちゃん連れの場合は、優先搭乗があり、赤ちゃん用の簡易ベッドが利用できます。
離着陸で泣き出す赤ちゃんも多いですから、その時間に眠っていられるように時間調整ができればベストですね。
3. 電車移動
車のように大人が運転する必要がないので、大人が疲れにくく渋滞もないので気が楽です。しかし泣き声などで周囲に気を遣うこともあり、また大きな荷物の持ち運びも大変です。もちろん座席の予約は必須です。最前列や最後の列、端の席など早めに座席確保したいですね。
ベビーカーでの移動になるので、エレベーターが必要です。駅の場所も確認しておきましょう。
○ 旅行中の食事について ○
初めての土地で、レストラン探しは大変です。赤ちゃん向けのメニューやサービスが充実している店を事前に探して、予約をしておきましょう。
楽しい旅行にするために帰省に際して
おじいちゃん、おばあちゃんに孫の顔を見せたい、と年末年始帰省する人も多いでしょう。おじいちゃん、おばあちゃんと普段どの程度の親密さなのかにもよりますが、長期間だとママが疲れてしまう場合もありますね。場合によっては2泊程度にして近くの温泉やホテルを取るのも一考です。
年末年始の寒い冬はどうしてもインフルエンザなどの感染症も流行しています。
もしも当日、赤ちゃんがいつもと様子が違うということがあったら、取りやめる勇気も大事です。気兼ねしないで赤ちゃん中心で考えましょう。
体力がなく免疫力の低い赤ちゃんと旅行する為には準備がとても大切です。持ち物などは事前に作成したリストに基づいて計画していくとスムーズでしょう。
もしもの時の対策だけは忘れないでくださいね。
時間的にも余裕を持ったスケジュールを作成して、パパもママも慌てることなく、楽しい旅行にしたいものです。
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毎月 第2・第4木曜日に更新
次回は 2026年 1 月 8 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
知っておいて欲しいこと
多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog

