#57
育児、今と昔の違い その1
昔と今育児の違い
赤ちゃんが生まれて実家の母親に手伝ってもらったんですが、病院で教わったことと違うことを言うので親子でもめてしまったんです!」こんな声を時々聞きます。
また、孫が出来ておばあちゃんになって、手伝いに行ったのに「育児に口は出さないで、お金だけ出して!」と言われてしまうとか。。。
昔と今の育児はどこが違っているのでしょうか!2回シリーズでお伝えしたいと思います。
その前にみなさんは「スポック博士の育児書」という本をご存じでしょうか。
第二次世界大戦後全世界でこの本が流行り、日本でも「子どもの自立心を育む育児法」として広く認知されるようになっていきました。
そのなかには、
- ● 赤ちゃんが泣いてもいちいち抱き上げない
- ● 抱き癖がつくと甘え泣きをするようになる
- ● 添い寝は自立心を妨げるので、夜は個室に入れて、一人で寝かせる
と言う文言がありましたが、これらはのちにスポック博士自身が間違いを認めていますが、愛情不足の育児という弊害がでてきました。
おばあちゃん世代が心を鬼にして、泣き叫んでも一人だけ赤ちゃんを個室に入れていたという育児方法は今となってはなんだか切ないものがありますね。
そのような事例を踏まえて、昔と今の違いを見ていきましょう。
苦労して子育てした、おばあちゃん世代誰よりもママの力に
今回は8項目をお話します。
1. 沐浴
昔は、赤ちゃんが生まれたらすぐに沐浴して、それ以後退院するまでの毎日病院では沐浴を行っていました。
今は、赤ちゃんの体温低下の防止、皮膚のバリア機能を保つために出産直後には沐浴はせず拭くのみです。その後入院期間中、退院時のみに沐浴する!入院中は沐浴しない!など病産院によって違いがあります。
2. 授乳方法
昔は、時間を計って3時間ごとに授乳していました。
今は、赤ちゃんが欲しがるときに授乳する「自立授乳」が推奨されています。
3. 卒乳
昔は、1歳までには授乳を止め、断乳するようにと母子健康手帳に書かれていました。
今は、いつまでに卒乳しなくてはいけないというものはなく、赤ちゃんが自然に離れるまで授乳していい。赤ちゃんとママの気持ちに合わせて、仕事や保育園などの都合も考えて進めていくのがよいでしょう。
4. 日光浴
昔は、母子健康手帳に「1日10分、足先から」という記載がありましたが、紫外線の害が出てくるようになり「日光浴」という項目は除外されています。
今は、赤ちゃんを外気や温度差に慣らすために外気浴をすすめています。
紫外線の強い10時~14時を避け、長袖や帽子、赤ちゃん用の紫外線防止クリームをつけて、直射日光に当たらないように注意しましょう。ただし、この日光浴を極端に排除することで、日光不足による「くる病」となる赤ちゃんが増えたことが指摘されています。カーテンを開けた窓際で遊ばせたり、お散歩での外出をして日焼けしない程度に日光浴をさせることが望ましいでしょう。
5. 白湯
昔は、水分補給としてお風呂上りや散歩帰りには、まず白湯を与えていました。
今は、水分補給には母乳を与えます。粉ミルクの場合は、白湯またはノンカフェインの麦茶や番茶などを与えます。
6. 離乳食
昔は、離乳食の前段階として、まず果汁を与えたほうがよいといわれていました。
1カ月を過ぎたら、リンゴをすってガーゼで濾して、倍に薄めて一口ずつ、というように、離乳食を進める第1歩として行っていました。
今は、果汁を与える必要はないということになり直接離乳食を始めますが、離乳食の開始時期も5~6ヶ月ころからと急ぐ必要はなく、ゆっくりと始めるほうがよいとされています。
7. 大人が噛み砕く
昔は、大人が食べ物を噛み砕いて、それを与えることもありました。
今は、大人からのむし歯菌が移るので食べ物を噛み砕いて与えてはいけない、スプーンや箸も子ども専用のものを用意する事となっています。
8. お風呂上がりのスキンケア
昔は、ベビーパウダーがあせも予防になるとして推奨されていました。
今は、エアコンなども発達し住環境も温度調整もしやすくなっていますし、吸汗性の高い下着やあせも対策のクリームなど良い商品がでています。保湿のためにローションを全身に塗るようにも推奨されています。
このように昔と今では細かいところでいろいろな違いがありますね。
今はこうなのよ、と優しく年配者に教えてあげてください。
昔は昔の教えで苦労して子育てをしてきたおばあちゃん世代の育児の知恵を教わる事も勉強になると思います。育児法の違いは時代で多々ありますが、親子の触れ合い方、赤ちゃんへの接し方、言葉のかけ方など、大事なことを教えてくれるはずです。
いろいろ経験してきたおばあちゃん世代は、誰よりもママの力になってくれるはずですので育児中のママには安心できる存在と言えるのではないでしょうか。
次回も昔と今の違いを見ていきましょう。
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次回は 2026年 3 月 26 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
知っておいて欲しいこと
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