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#61
赤ちゃんの黄疸について

初めての出産のママは驚かれるかもしれませんが、生まれたばかりの赤ちゃんの肌が黄色に見える現象を黄疸といい、満期で生まれた赤ちゃんの半数に見られる自然な現象です。でも「もし病気だったらどうしよう」と不安な気持ちになられた方もいらっしゃるでしょう。
多くの黄疸は心配する必要はありませんが、まれに治療が必要な病的黄疸である可能性もありますので、今回は黄疸について詳しく解説していきましょう。

肌が黄色に見える現象 黄疸とは

肌が黄色に見える現象黄疸とは

黄疸とは「皮膚や白目が黄色くなること」をいいます。実際の見た目は、黄桃をイメージしてもらうとわかりやすいのですが、ほんのり赤い肌に黄色味がかかるような感じです。
これは「ビリルビン」という黄色い色素が体にたまることで起こります。
ビリルビンは、赤血球の中に含まれているものです。ご存じのように赤血球とは血液の主成分の1つで、血液中の酸素を全身に運ぶ大切な役割を担っています。
赤ちゃんもお母さんのお腹の中にいる間、多くの赤血球を使って酸素を運んでいます。
生まれたあと、その赤血球の一部が壊れてビリルビンが発生して、肝臓に運ばれて、ここで手を加えられ、肝臓と腸をつなぐ胆道を通って腸へ運ばれます。腸の中のビリルビンはさらに形を変えつつ、一部は体の中に再吸収され、残りの大部分は便として体の外へでていきます。赤ちゃんの便の色が黄色なのはこのビリルビンがたくさん含まれているからです。
ではなぜ皮膚などに黄疸がでるのかという疑問が残りますが、それは生まれたばかりの赤ちゃんは大人よりも血液中の赤血球の数が多く、また大人よりも赤血球の寿命は短いのです。そのためたくさんの赤血球が短い時間で壊れることになり血液中のビリルビンは増えやすくなります。お腹の中にいるときの赤ちゃんは、便を出せないので、余ったビリルビンはお母さんの血液に送って捨ててもらう必要があります。
このためお腹にいるときは、1回腸に出したビリルビンの大部分を再吸収して血液に戻すようにできています。このしくみが生まれた直後はまだ残っているため血液中のビリルビンは増えやすくなるのです。

いくつかは注意が必要 生理的黄疸と病的黄疸

いくつかは注意が必要生理的黄疸と病的黄疸

《 生理的黄疸 》
新生児に見られる黄疸のほとんどは「生理的黄疸」といって、異常ではなく自然に消えていくものです。生後2~3日目から始まって、4~5日目にピークを迎え、1~2週間ほどで自然に消えていきます。
赤ちゃんが元気で、母乳やミルクをよく飲んでいる場合は、治療は不要です。
但し、次のような場合には、注意が必要です。

《 病的黄疸 》 胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)
黄疸が続いて便の色が白っぽい(クリーム色・灰色)場合は、胆道閉鎖症という病気の可能性があります。治療が必要です。

下記のような症状に注意

  • 生後24時間以内に黄疸が出た
  • 黄ばみの広がりが早く色が濃い
  • 生後2週間以上経っても黄疸が消えない
  • 赤ちゃんがぐったりしている、またはミルクを飲まない
  • 便の色が白っぽい

生後24時間以内の黄疸や急激な変化は、ほとんどの場合、出生した施設で適切な対応が行われます。
生後2週間以上黄疸が続く場合は、「遷延性黄疸(せんえんせいおうだん)」と呼ばれていて、ほとんどの場合は心配ないものですが、下記のいくつかは注意が必要です。

母乳性黄疸
母乳を飲ませている場合、黄疸がやや長く続くことがあります。これは母乳性黄疸と呼ばれるもので、赤ちゃんが元気で体重が順調に増えていれば問題ありません。
ただ、血液中のビリルビンが少し多くても体に害はありませんが、あまりにも多いと害を及ぼすことがあり最も注意が必要なのは脳への影響です。高い濃度のビリルビンは脳の組織にダメージを与え、放置すれば後遺症として体に麻痺が残ってしまうこともあります。このため、高すぎるビリルビンに対しては治療が必要となります。


《 治療方法 》 光線療法
血液中の高いビリルビンを減らす最も一般的な方法は光線療法です。特殊な波長の光を赤ちゃんに当てることで、血液中のビリルビンを分解することができます。これによりほとんどの黄疸はよくなります。

お母さんにできる 新生児黄疸の予防法

お母さんにできる新生児黄疸の予防法

お母さんにできる黄疸の予防法は哺乳をたくさんすることです。母乳でもミルクでも構いませんので、たくさん哺乳することで水分が赤ちゃんの体に吸収されて血液が薄まってきますので、結果としてビリルビンを下げることができます。そしてさらに哺乳するメリットとしては腸を動かして便を出すことにつながるので、身体のビリルビンを減らすことにつながります。
生まれすぐ黄疸が少し強く見えると予防のためにも保育器に入れて光線療法をすることがありますが、大変な病気になってしまったのでは?と心配するお母さんも多いようです。でも予防のためという場合が多いので医師からきちんと説明をうけて不安がらないようにしましょう。


ひとことで黄疸といっても心配のないものから治療が必要なものまでいろいろありますが、しばらく様子を見ていて退院してからも黄疸が続いて心配な場合は小児科医に相談しましょう。

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次回は 2026年 5 月 28 日(木)に配信予定
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助産師 南部洋子先生
お話いただいたのは

助産師 南部 洋子 先生

東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。

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