#62
気になる産後の体型 その1
妊娠中のママは出産間際になると、妊娠前の体重と比較すると平均10~12㎏は増えています。でも、赤ちゃんを産んだら体型はもちろんの事、体重も減るだろう、と思っていたのにちっとも変わらない。どうして??という気持ちになった方は多いことでしょう。
確かに赤ちゃんが3㎏、それに胎盤や羊水で1㎏、合計少なくても4~5㎏は体の外に出たのに・・・あまり変化がないなんて何故?!
今回は産後の体型について解説しましょう。
産後6~8週間は産褥期まずは身体をゆっくり回復させることが大切
産後の体型は、残念ですがすぐに元に戻るわけではありません。
子宮の大きさが妊娠前の大きさに戻り、妊娠・出産によるホルモンの変化が一段落するまでに出産後6~8週間かかると言われていて、この時期を産褥期(さんじょくき)といいます。体型の変化も気になるかと思いますが、まずは妊娠・出産を終えた身体をゆっくり回復させることが大切な期間です。
出産が重かろうが軽かろうが、この産褥期の過ごし方がとても大事です。
産後すぐにでも体型を戻したいと思う気持ちは分かりますが、産後は、消耗した体力や会陰の回復、帝王切開の場合はその傷を癒す大切な時間です。まずは身体をしっかりと休め回復させましょう。
昔から「床上げ」という言葉があるように、産後3~4週間までは、育児にかかわること以外はできるだけ身体を休めて安静にすることがとても大切なのです。
それでは体重が減らない理由をお話しましょう。
出産後に体重があまり減らないのにはわけがあります。
出産により体に溜めていた水分(血液や羊水)を一気に失いますし、また出産時には大量の発汗などもあり、急激に水分が失われることで体の防衛反応が働き大急ぎで体に水分を貯めこもうとします。
しかし、その後体は大量に水分が失われるような事態は起きないので、通常の生活に必要な量よりはるかに多くの水分を溜め込んだ状態になっています。浮腫が起こりやすくなっていることが体重減少を妨げている原因の1つと考えられます。
母乳を飲ませているママは、母乳として体内の水分を失うので、同様に体が水分をため込もうとしてむくみやすくなり体重の減少を妨げてしまいます。
先ほどもお伝えしましたが、妊娠中は、赤ちゃん、胎盤、羊水などで5~6㎏くらい重くなります。そのほかにも妊娠で大きくなった子宮や血液の増加、バストの皮下脂肪なども増えているので、出産直後は妊娠前よりも体重が増加しているのは当然のことです。
産後6~8週間の期間は身体が徐々に回復し始める期間なので、食事制限や激しい運動は控え、妊娠前の生活や運動を再開するのは、産後6~8週間の産褥期を過ぎてからにしましょう。
産後の過ごし方がとても大切産後の体型の変化
では、お腹やお尻、胸のたるみなど産後の体型の変化はなぜ起こるのでしょう。
女性のからだは、赤ちゃんが生まれるとき産道を通りやすいように妊娠中から骨盤などの関節がゆるむようなホルモンが分泌されお産に備えます。
出産後、数ヶ月かけて徐々にこのホルモンの影響がなくなっていき元の位置に戻りますが、骨盤がまだゆるく開いた状態のままの時期に重い荷物を持ったり、きつめのガードルをはいたりなどお腹に強い力が加わると内蔵が下垂してぽっこりおなかの原因となります。加えて骨盤の下からハンモックのように臓器を支えている骨盤底筋が、お産によりダメージを大きく受けた場合なども一因となります。お尻のたるみの原因も同じようなことがいえます。
乳房は、母乳をつくるために乳腺が発達して、妊娠前と比べると3倍以上の重さになります。妊娠から産後の乳房の変化にともない、乳腺や脂肪を支える靭帯(じんたい)が伸びてしまうために、支える力が弱くたるみとなってしまうのです。
このように産後のたるみの原因を考えると、ただ体重を落とすだけでは改善されないということがお判りいただけたと思います。
体重減少のために、カロリー制限をしたり、特定の食品を摂るといった食事のみのダイエットは産後の身体にも、そして将来歳を重ねた自分の身体にも悪影響を及ぼす恐れがあります。とくに育児中は赤ちゃんへの栄養補給や育児のための体力維持(筋力維持)のため、しっかりとした栄養摂取が基本です。
妊娠・出産と頑張った自分の身体のためにも、赤ちゃんのためにも、そして未来の自分のためにも、健康美人なママを目指しましょう!その為には産後の過ごし方がとても大切だということを覚えて頂きたいです。
次回は、どうしたら元の体型に戻ることができるのかをご紹介したいと思います。
内容に関するご意見・ご感想や
育児のお悩みを募集
「助産師さんに聞いてみた」では、今後取り上げて欲しいお悩みを随時募集しております。お問い合わせフォームからご意見・ご感想や育児にまつわるお悩みなどをお寄せください。「助産師さんに聞いてみた」のリーフレットをご希望の場合もお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームの件名欄を「助産師さんに聞いてみた」に関するご意見・ご感想を選択の上、内容を入力し送信ください。
- ● 内容確認のためご連絡させていただく場合がございます。
- ● 返信や記事に取り上げる等のお約束はできません。あらかじめご了承ください。
毎月 第2・第4木曜日に更新
次回は 2026年 6 月 11 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
知っておいて欲しいこと
多くのママパパが抱える子育ての不安に助産師さんが寄り添うBlog

