#70
赤ちゃんの皮膚のトラブル
赤ちゃんの肌は乾燥しやすく刺激に対して敏感
赤ちゃんの肌は、色白できめ細やかで、みずみずしいぷるぷるしたイメージですね。
でも実は、とてもデリケート。乾燥しやすい弱い肌なのです。
皮膚の役割の一つにバリア機能がありますが、皮膚の一番外側にあり刺激から肌を守るのが表皮ですが、赤ちゃんの表皮の厚みは、大人の半分しかありません。
また肌表面から水分が過剰に蒸発するのを防ぎ肌の潤いを保つ皮脂についても生後1カ月をピークに2~3カ月で皮脂の分泌量が低下し乾燥しやすくなります。特にお腹まわりの肌は乾燥しやすい部位です。
こうしたことから赤ちゃんの肌は、大人よりバリア機能が低く、外部からのアレルゲンや細菌・ウイルスなどの刺激に対して敏感な状態なのです。
また紫外線防御に大切なメラニンが作られていません。透き通った白い肌ですが、実は光にとても弱いのです。
○ 乳児湿疹
乳児湿疹とは、1歳未満の乳児に多くみられる湿疹の総称です。
顔、頭皮、首など皮脂の分泌が多い場所に生じやすく、ニキビのように赤く盛り上がったものや皮膚にうろこのようなかさぶたを形成するものなど様々です。
かゆみや痛みなど不快感を伴うときは、機嫌が悪くなったり、哺乳量が減ったりすることもあります。
○ 乳児脂漏性湿疹
乳児脂漏性湿疹とは、皮脂の過剰分泌が原因で生じる乳児湿疹のことをいいます。
顔や頭皮、首などに赤い小さな湿疹が散在し、うろこ状や黄色いかさぶたやフケのような塊が皮膚に付着するのが特徴です。
生後1カ月以内は、胎盤を通して胎児に移行した女性ホルモンの影響が残っているため、皮脂の分泌が多くなる傾向があります。皮膚にはさまざまな常在菌が潜んでいますが、その中でもマラセチアと呼ばれるカビの一種は、皮膚を栄養源として増殖するため、皮脂の過剰分泌が生じると異常増殖して皮膚に炎症を引き起こすと考えられています。
一般的に痛みやかゆみを伴うことは少ないとされていますが、皮膚に炎症が起きた場合や二次的な細菌感染が生じると痛みやかゆみがでて機嫌が悪くなる、哺乳量が少なくなる、皮膚を搔きむしる、などの症状が現れることも少なくありません。
成長に伴う皮膚の代謝の変化で出ることが多く、スキンケアで自然に改善します。
しかし、スキンケアをしているのに、肌荒れが長く続く場合、アトピー性皮膚炎などが考えられます。
但し、いずれの湿疹も赤みやかゆみを伴う湿疹がみられるなど、共通した症状があります。中には、アトピー性皮膚炎と別の湿疹が合併することもあり、はっきりと区別するためには、経過を観察する必要がある場合もあります。
○ アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の特徴は、肌荒れが2カ月以上続くこと、痒みがあることです。
痒みがある場合、以下の動作がみられますので、判断してください。
- ● 顔や頭、背中を布団にこすりつける
- ● 手や顔や耳の周辺を引っ掻く
- ● 足と足をこすり合わせる
- ● 夜泣きが続く
上記の症状が続く場合は、小児皮膚科医に相談しましょう。
○ 汗疹(あせも)
赤ちゃんは、新陳代謝が活発なので多くの汗をかきます。そのため汗をそのままにしておくと汗疹(あせも)が生じることがあります。汗疹は汗の乾きにくい頭や首、肘や膝の内側に生じやすい傾向があります。
赤ちゃんは、小さな体ながら大人と同じ数の汗腺をもっているので、とても汗をかきやすいという特徴があります。
特に最近は、フリース素材など風を通さない衣類も多い為に保湿効果の高い服を着せている場合には衣類を脱がせても体が汗でびっしょりということもありますので注意しましょう。
汗疹には、かゆみや赤みを伴わない水晶用汗疹と皮膚に炎症が起きて赤みやかゆみが生じる紅色汗疹があります。
○ 新生児ざ瘡
赤ちゃんのにきびのことをいいます。
顔や首、背中などに米粒大の白色や赤色の湿疹が現れます。詰まった毛穴の内部は細菌感染を起こしやすく、悪化すると湿疹が赤く腫れたり、膿が出たりすることもあります。
炎症が悪化すると痒みや痛みも強くでるので、掻きむしって炎症がひろがってしまうこともよくあります。
○ おむつかぶれ
おむつかぶれは「おむつ皮膚炎」と医学用語では言いますが、おむつが当たっている部位に起こる皮膚の炎症のことを言います。
赤ちゃんの皮膚は薄くて角質層のバリア機能が未熟な状態のため外部刺激の影響を受けやすい特性を持っているのでおむつかぶれを起こしやすいのです。
ほとんどの赤ちゃんが一度だけでなく、何度も経験していると思います。
おむつかぶれの最初は
- ● 肛門の周りがうっすらと赤くなってきた
- ● 赤ちゃんがおしりに手をやって気にしたり、お尻拭きでお尻を拭くと痛がったりすることがある
赤ちゃんからのSOSサインを見逃さないで、おむつ替えやお風呂の際に、肌の状態を チェックしましょう。
皮膚の異状受診する必要があるかどうかしっかり見極め
以下のような場合は小児皮膚科を受診しましょう。
- ● 発疹が1週間以上続く、または悪化している
- ● 湿疹が化膿している
- ● 強い赤みや腫れがある
- ● かゆみが強い感じがする
- ● おむつかぶれが改善しない。または白っぽいカスがみられる
- ● 発疹とともに発熱や元気がない、などの症状がある
- ● 皮膚トラブルが原因で日常生活に支障が出ている
皮膚の異状は、他の病気の可能性もありますので放置せず受診する必要があるかどうかしっかり見極めてください。毎日赤ちゃんと向き合っているママだからこそ見逃さないで変化や異常に気がつくことができます。
次回は、皮膚トラブルの対処法・スキンケアの方法などをお話しましょう。
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次回は 2026年 10 月 8 日(木)に配信予定
お楽しみに!

助産師 南部 洋子 先生
東京医科歯科大学医学部付属看護学校を卒業・国家資格看護師免許取得、日本赤十字社助産婦学校卒業・国家資格助産師免許取得後、東京医科歯科大学付属病院産婦人科病棟にて助産師として勤務。300人以上の出産に立ち会い赤ちゃんを取り上げる。その後女性のカラダをメインとした相談室「株式会社とらうべ」を設立。女性の味方としてすべての年齢での悩み相談を受ける。女性が自分の身体を自分のものとして理解する事。それが全ての悩みの解決に繋がっていくとの信念を持ち、日々向き合っている。
趣味は、夫と旅行、映画・音楽鑑賞、健康麻雀など。
助産師として多くのママをサポートした経験から、
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